「ゲームセット、ウォンバイ高槻・ペア6−0!」
「おっしゃ、お疲れー」
高槻が近付いて手を軽く挙げたから、、私はその手に合わせてハイタッチをした
「お疲れ。まあまあってとこかね」
「1ポイントもあげないで勝ったんだから上出来じゃね?」
「スマッシュ決め損ねたくせによく言うよ」
「ああ、あん時はサポートありがとな」
地区予選の緒戦は、玉林中との試合だった
勝ちましたよもちろん
ペア相手はスミレちゃんが決めるんだけど、今日は高槻とだった
スマッシュやスピードボールが得意技の私と、ライジングショットが得意で男テニ指折りのゲームメーカー高槻
二人して超攻撃型なもんだからすぐに決着が着く
今日は不二に計ってて貰ったんだけど、16分14秒だった
うん、なかなかの好タイム
ベンチに座って飲み物を一口飲んでから汗をタオルで拭く
「あぢー、緒戦だからってちょっと調子乗っちゃったか?」
「かなり飛ばしてたよね、」
「やっぱ不二子もそう思う?可哀相だったかなー……相手」
「あれ?もう終わったんすか?」
後ろから脳天気な声がしたので振り向いてみると、桃がいた
多分ダブルス2の試合が終わったんだろう
因縁の対決とからしいので見たかったけど3ゲーム程終わったとこで前のコートの試合が終わったからと呼び出されたのです
丁度盛り返してきておもしろそうなとこだったんだけどなー。惜しい!
「16分14秒だ。どうだまいったか。はっはっは」
「はー……二人が組むと相変わらず早いっすねー」
「だって長引くと嫌だしな」
「な」
語尾だけ真似っこ
「てかさ、そのほっぺたどーしたの?すっげぇ痛そう」
「あ、これっすか?竜崎先生にやられたっす」
「なんで?」
「あのね、……」
桃の代わりに不二が事情を説明してくれた
話を聞いてると隣でなんだかなぁ、と高槻が呆れていた
「いくら何でも縦線はねぇだろ縦線は!俺らだってコンビネーションあんま良いほうじゃねぇけど縦線は入れねぇぞ!」
「今度入れてみる?」
「アホ」
失礼な!!
「ゲームセットウォンバイ、青学6−0!」
「あ、菊丸達も勝ったみたい」
「このままだと全勝いけそうっすね」
「そだね」
私達が予想していた通り、予選の玉林中は見事全勝で終わった
いい感じのスタートを切れたって感じで良いんじゃないかと思う
「たらったらったらった買い飯サンバ、おにぎりサラダにサンドウィーッチ♪」
「……恥ずかしいからやめて」
「何言ってるんですか。せっかくの買い飯ライフを優雅にエンジョイするために全力を尽くしてるって言うのに」
「だからってこんな人の多い所でくるくる回ったりスキップするのはさすがに恥ずかしいにゃ……」
「菊丸の言動の方が恥ずかしいな、私は」
きくまるに150のダメージ!
きくまるはじぶんのじょうたいをはあくした!
「と言う訳で私は止まりません。たらったらったらったおにぎりマーチ、うめぼし、おかかにエビマヨ、わかホギャー!!」
「!?」
「お、おい大丈夫か!?」
は正面にいた人物とぶつかって、慣性の法則を無視し横倒れになった
しかも激しい飛び方だ。3メートルくらいは飛んだだろう
ぶつかった相手もさすがに驚いたようで、慌ててに駆け寄った
周りにいた人間も驚いた様子でを見ている
「、大丈夫かにゃ!?」
「せ、せめて戦場で死にたか……った………ゲフゥ!!」
「!ふざけてないで起きて!!目立ってる!すっごい目立ってるから!!」
「お、おい、大丈夫なのか……??」
ぶつかった男は慌てての身体を揺さぶった
それに気付き、は自分の身体を揺らしてる男を見た
ぼんやりとだが、その姿が確認できる
「ああ……ゲゲゲの鬼太郎の幻覚が見えるよ…もうわしゃあ死に時なのかもしれんのぅ……」
「幻覚じゃないから!実際にいるから!!」
「ええっ!?ゲゲゲの鬼太郎が!?」
ごぃん
は勢いよく飛び起きた
すると思いがけない行動に避けきれなかったのか、正面にいた男とおでこをぶつけてしまった
今度はお互いに脳震盪を起こし倒れた
「───、!」
「先輩」
「……ありゃ?ここは?」
「青学サイドのベンチっすよ。先輩脳震盪起こして倒れたんす」
ゆっくり上体を起こすと、不機嫌そうな越前と心配そうに自分を見ている不二が視界に入ってきた
「……試合は??」
「今は準決勝。ミクスドの試合はもう終わったッス」
は目をぱちくりとさせる
それから一気に顔が青ざめた
「えええ!?マヂで!?どうなったの!?私と不二でオーダー出してたんでしょ!?」
「準決勝はね………ふふふっ」
何故か不二が笑うと、越前は不二を睨みつけた
「ど、どうなったの……?」
「越前が補欠登録だったから、女装させてのフリをさせたんだ」
「ちょっ、不二先輩!!先輩には黙っとくって約束じゃ……」
女装?
女装?
JYOSOU?
「マヂでー!?何ですかその腐女子ホイホイ!めちゃめちゃ見たかったんスけどー!!!」
「安心しろ。データは完璧だ」
すかさず現れた乾の手には使い捨てカメラとビデオカメラ
「よっしゃー!乾、グッジョブ!!」
「売上金は五分五分でどうだ?」
「乗ったー!!」
「売るなー!!!」