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なんだかんだで私は桃とマサやんと一緒に買い物に来ていた


「これで全部だっけ」
「買い物メモは?」
「あー、確かポケットに……」

桃は学ランのポケットを漁って中からメモを取りだした


「えーっと……ボール10ダース、ドリンクの粉、ストップウォッチにクエン酸、注文してたタオルと……カルボナーラ」
「あー大変だ!これは今すぐカルボナーラを食べに行かなくてはネ☆」
徹子先輩っすね、これ書いたの……」
「なんだよーわりぃかよー」

桃が「何なんだこの人は」って目で見てる
だってカルボナーラ食べたいんだもん!!

「悪いも何も、部費でスパゲティ食べるつもりだったんすか!!」
「こう言うときに使わないで何のための部費だっちゅーの!ここの近くにカルボナーラのめっさうまい店があるんだって!行こ行こ!!」
「アホな事言ってないでさっさと戻……」


「キャーッ!か、かえして!!ひったくりー!」
「ひったくり!?こんな白昼堂々!?」

おばさんらしき声がした方を見てみると、ローラーブレードを乗り回したいかにもなあんちゃんがブランドのバッグを持っていた

「桃、いけぇ!!」
「了解ッス!」

桃はローラーブレードのあんちゃんの方へ駆けていき、一発喰らわそうとした
けどなんだか上手くしゅばっとかわされた

「桃、追っかけるぞ!面白パワーを感じるぜよ!!」
「わりぃ、チャリ借りる!」
「マサやん、荷物ヨロシクー!」
「せ、先輩!?」

桃はそこら辺の人からチャリを借りて漕ぎだした
私は後ろにのっかって2ケツする


「まてひったくりー!非常識ー!くそったれー!うん………」
「リズムに乗るぜ!!」

お下品な台詞を言おうとしたら、何だか聞き覚えのある声がした

「おわー!桃!後ろ!」
「何スか!!」
「鬼太郎がいるよー!!」
「ふ、不動峰の神尾ー!?」

鬼太郎で通じちゃってる辺りがなんだかなぁって感じ
いや、自分で言ってて何だけどさ


「おらー!行け桃ー!!鬼太郎なんかに負けんなー!」
「リズムを上げるぜ!!」
「こっちはチャリだよ!負ける訳無いっちゅーねん!!」
「こっちは徹子先輩乗ってるっすよ!」
「なんですとー!アタイが重いってのかい!!」

ちょっと借りた漫画で見たヤンキーの人を真似っ子













「………なんだよ、ひったくり追ってんなら言えってーの」
「あたり前だろ。他人のチャリなんか盗むかよ」

2人共息がゼーゼー言ってます
私だけ後ろでヤジ飛ばしてただけだからまだまだ元気!

走り高跳び20メートルはいけるぞ!
嘘ですすんません調子ぶっこきました


「桃ー、大丈夫?重かったっしょ?」
「いや、案外軽かったっすよ。ちゃんと食ってるんすか?」
「食ってないよ!カルボナーラ食べるよ!!」
「まだ諦めてないんすか、カルボナーラ……」
「あったりまえっしょー!ね、鬼太郎!」
「俺は鬼太郎じゃねぇ!神尾だ神尾!」
「名前あったんかー」
「当たり前だ!!」
「えーとなんだっけ」

改めて聞くと、鬼太郎はでっかい溜め息をついて答えた
なかなか失礼な奴だな、うん

「神尾だ」
「キャミオ」
「神尾」
「キャミオ」
「か・み・お!!」
「キャミオー!」

さっきの走りの疲れもあってか、これ以上ツッコむ気も無さそうだ




「何よあんたたち!放して!!」
「今の声!」
「……あれっ、そういやこの場所……」
「なんにせよ面白そうだから行ってみよう!」

体力の有り余った私が先頭に、階段を掛け登った
ここって確かストリートテニス場だったような
リョマ子が行ったって話聞いて一度行ってみたかったとか思うてました



「あー!不動峰の女の子!」
「橘妹!」




「約束じゃねーか。そいつらを全員倒したらあんたがデートしてくれるって」
「やっぱり杏ちゃん!何でそんなタンカ切ったの?」
「だってこいつらストリートテニスを……」
「弱者のたまり場ってか」
「!」
「気が強ぇとこもカワイーじゃねぇの」




「ちょーっと待てぃ!!!」
「おわ、徹子先輩いつの間に!!」
「ええ、苦労しましたとも………ってそこの泣きボクロ!!」
「アーン?」
「登ってる間黙って聞いてたらいい気になりやがって!ふざけんじゃねぇぞアーン!?」

どうやら「アーン」をお気に召したようです徹子さん
とかナレーション風味に言ってみる


「………おい桃城、お前ダブルスできるか?」
「ダブルス?」
「嫌ならいいぜ」
「いーや、得意分野だ」
「ちょ、ちょっとちょっとキャミオ!!」
「…いいぜ、何人でも同じだ。な、樺地」
「ウス」
「おいおいホクロ!アーン!?」
「お前らにサーブやるよ。かったりーから一球勝負な」


完全無視




「………くすん」

いいもーん。いいもーん。
一人で人生ゲームやってやるー
銀行も一人でやって子供も車に刺せなくて横倒しにしてもまだ足りないから車をもう一台継ぎ足すくらいまで作ってやるー
終わったらシートを重ねてワールド版もやってやるー


って寂しいわボケー!!
「一人ツッコミ!?つーか何やってんすかこんな屋外で……」

自動車保険と2千円を二人分用意しようと思ったら試合が終わってました
あ、そういや一球勝負だったっけ

「キサマ名前は?」
「青学2年桃城武。ヨロシク!そういうアンタは?」
「氷帝学園3年、跡部景吾」
「待てよっ!不動峰中2年、神尾だーっ!!」
「てめぇにゃ聞いてねぇだろ………そこのお前は」
「んぁ、あたしの事かい?」
「そうだ。お前名前は?」
「はい!青学3年黒柳徹子15歳です!って言うか永遠の15歳!青春学園のアイドル兼ミクスド選手です☆」

話を振られたよ!嬉しいなぁ!わーいわーい!!


「お前、俺と付き合う気はねぇか?」
「は?」
「つうかお前に決定権は無い」
「ちょ、ちょっと!橘妹の次はウチの先輩っすか!?」
「こんな綺麗な髪した奴、中々見かけねぇな。手入れが行き届いている」
「メ●ットしてドライヤーしてるだけなんすけど。やだなーそんなに私のキューティクルが魅力的かい?」
「先輩はややこしくなるんで黙っててください」

あっさり!?
酷いよ桃!あんたも言うようになったわね!!


「跡部さんは随分と節操無しなんですね」
「アーン?人聞きの悪いこと言ってんじゃねぇよ。引っ込んでろ」
「ウチの先輩が困ってるんです、引き下がるわけにはいきません」
「いや、なんつーかさぁ」
「俺はお前じゃなくて徹子に聞いてんだよ」

いきなり呼び捨て!?
うわぉ!びっくり!
今までにない程の俺様キャラだわ!

「今から暇だよな。付き合え」
「……………カルボナーラ奢ってくれる?」
「カルボナーラ?それなら銀座の一流店で奢ってやるよ」
行くー!!!






そんなあっさり!!??
「メンゴメンゴ!桃、ヅカにテキトーに言うといて!」


そして私はアトーベとカバヂ君と一緒にストリートテニス場を後にした












「………そんなカルボナーラ食べたかったのか、あの人……」