〜前回までのあらすじ〜

忍足家の長男、岳人が何者かに殺害された!
名探偵アトベケイゴはこの謎を解くために一人果敢に立ち向かう
そして犯人の魔の手は次男の慈郎に……!!







激嘘☆



ホントは私が跡部と感動の再開を果たしたのですよ
つーても三日ぶりだけど

!」
「やっほうアトーベ!元気してたー?」

私はお茶目にウインクしつつ挨拶した
すると跡部はどっから持ってきたのか、宮殿にありそうなテーブルセットから離れこっちに来た
売ったらどんくらいになるかなぁ。うへへ

「何か元気無さそうだねー」
「……連絡がつかなくて、お前に何かあったのかと俺はずっと心配で………」
「うわキモッ」

あまりの豹変ぶりに思わず声が出た
多分色々錯乱してるんだろう。おいたわしや景吾サマ!

「俺、心配で手紙送ったんだぜ?」
「うん、見たから知ってる」

いきなしポストに手紙もっさりでびっくりしましたともさ!
郵便なんてダイレクトメールしか来ないから週一でしか確かめないのに

「………そんなにおかしくなってたんか、コイツ……」
「いやぁ、ご迷惑おかけしますねぇ」
「ホンマや。ここ三日間の跡部はキモイ事この上なかったで」

忍足がそう言うと、岳人、滝、長太郎、樺地が頷いた

「ラーメンにマヨネーズ入れて食べるし」
「テニスボールとラグビーボール間違えて打つし」
「俺には何か悩ましげなポーズで『なぁ長太郎、愛って何なんだろうなぁ………』とか聞いてきましたけど」
「ウス」

最後のが一番きついなぁ……

て言うかこいつらはなんなんだ?
何となく分かる人もいる。ドロボーオカッパとナイアガラの滝みたいな頭の人とアトーベのお友達の妖精さん(誤解)
そして妖精さんにおんぶされてんのがジロちゃん。めんこい。癒やし系。
でも好青年な感じのクリスチャンは誰だかわからない

私がじーっと好青年なクリスチャンを見ていると、忍足が喋り出した

「2年の鳳長太郎。レギュラーや」
「あ、どうも」

自分が紹介されてることに気付き、鳳君はペコリと御辞儀をした
そして私もペコリと御辞儀をする
うん、おばちゃん礼儀正しい人は好きですよ?
この子もなかなかの癒やし系だわ。でもホストくさい
癒やし系ホスト?新ジャンルだ!!



「なぁ
「うん?」
「手紙って事は……跡部と文通でもしてるん?」
「うんにゃ」
「その前に手紙読んだんか?」
「……メリーさんたら読まずに食べた♪」
「……………」
「めぇぇ」

一鳴きすると、忍足が関西の血が騒ぐと言わんばかりに突っ込んだ

「メリーは羊や!羊は紙なんか食わんわ!!」
「メリーなめんじゃねぇぞ!メリーなまらすげーんだぞ!!」
「道産子丸出しで喋んな!今お前北海道の小学生みたいな喋り方してんで!」

北海道の一部の小学生は実際こうやって話します

て言うか私設定ではアメリカ出身の筈だヨ☆


私と忍足がギャーギャー言い合っていると、既に忘れ去られていた氷帝準レギュラーの人々がいた
さっきまで追いかけられてたの忘れてたYO☆

「お前、いつの間にこんなとこへ!!」
「跡部部長に近寄るな!!」
「青学のくせに生意気だぞ!!」

氷帝準レギュラーに剛田君ちのせがれが紛れ込んでる

「大人しく捕まれ!」
「捕まったら私に何するつもりさ!」
職員室に連れていって先生にしかるべき処分をして貰う

こいつら以外と常識人だ!!
く、くそっ!文部省に魂を売った者共め!!

「大人しく捕まってたまるけー!!」

私は華麗に回し蹴りをかましつつ上空へ飛んで他の氷帝準レギュラーの上に着地した。つーか落ちた
なんかゴキャッ、とか言う生々しい音がしたけど気にしないぞ!
正当防衛正当防衛。言葉の弾圧は暴力です(勝手)


「騒がしいぞ!お前達何をしているんだ!!」
「あっ、監督!」
「嘘っ!?」

こんな時に監督が出てきたら状況の説明が出来ないぜ!
やっべー、今回以外と常識人が多いしいきなし補導!?

「………青学?」
「………あーっ!!」

私と氷帝の監督はお互いに顔を見て驚いた

「なんや、監督と知り合いか?」
「知り合いもなにも、この人私をベンツで轢いた人だよ!!」
「はぁ!?」

このビシッと決めたオールバックとスカーフ、そしてなんともいえないエレガンスさ!
間違えようがありませんって!!

「そうか、あの時の……」
「どうも。あん時はすいませんねぇ」
「いや、どうやら不良に絡まれていたようだし、こちらも不注意だった」
「あの時上手く着地してりゃ良かったんだけど……」
「ああ……盛大に吹っ飛んで回転していたが大丈夫だったか?」
「手首捻っただけなんで大丈夫ッス。ただ都大会出られなくなっちゃったんですけどネ☆」

悪意とか善意とか殺意とかその他諸々を含めて言ってみた
多分効いてない。つーか聞いてないかも?いや、それは無いか

「あれ、ってテニスやるん?」
「うん。私ミクスド選手だもん」
「青学の女子のミクスド選手って確か全国区の人なんですよね?」
「もしかしてが!?」
「何、その信じらんねーって顔は。私一年で全国制覇してますよ?」
「今年はシングルスはやんねぇのか?」
「うん、だってシングルス飽きたし」

……ずばっと言っちゃ駄目でした?


「しかしいくら実力を持っていたとしてもこの時期の怪我は辛いな……本当にすまない」
「いや、だから気にしなくていいですって!その代わり……」
「………何だ?」
「……………この死屍累々になっちゃった場、見逃してくれません?」

いつの間にか私、氷帝準レギュラー全員倒してたみたいです
テニスコートが屍の山になってます。アイター☆


「……………まあ、準レギュラーだからな……」

いいのか


私含めその場にいた全員が突っ込んだ


そして私は結局、偵察の事なんぞすっかり忘れたまま氷帝を後にしたのでした