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どうもこんにちわ!柴崎コウです☆
すんません嘘ぶっこきました
今日は久しぶりに部活がお休みです
そして学校もお休みです。素晴らしい事ですね。うん
そんな訳で私は外へ繰り出しているわけです
「やあやあ越前君、おはやう」
「……徹子先輩?」
「遊びに来ちゃったー。手土産持ってきたから!これ家族で食べて!」
私は笑顔で巨大なカジキマグロを差し出した
「
手土産ってカジキマグロ!?でかっ!つーか生臭っ!
」
「今朝取れたマグロだから新鮮だよー。好きなように食べるよろし☆」
マグロを差し出すと、リョマ子はマグロを受け取った後少し迷ってから氷をいっぱい入れた発泡スチロールの箱に入れた。さながら築地。
冷蔵庫に入らないから帰ってきてからさばいてもらうそうだ。賢いぜ!
「で、先輩は何の用ッスか」
「この前の地区大会のビデオを見ようと思いましてね。うちビデオデッキ無いんだよねー」
「地区大会のビデオ?」
今日私は朝起きてから乾の家にビデオテープを取りに行く約束をしていたのだ
ところが乾の家に向かう途中にデパートがあって、ついつい屋上に足が向かいお金で動くパンダさんに乗って遊んでしまったのだ
お陰で約束に二時間遅刻。メンゴメンゴ☆と謝ってビデオテープを受け取ったまでは良かった
そのままビデオを見せて貰おうと思ったら午後から乾は別の用事がある為、家でビデオを見せられなくなってしまったのだ
そんでもって近くに知り合いの家はないかい?と聞いた所、リョマ子の家が挙がった訳です
「
つー訳で私を誘惑したパンダさんが悪い
」
「中三にもなって何でそんなもん乗るんすか。しかも二時間も」
「パンダさんだけじゃないよ!うさぎさんもライオンさんもなんかわからん毛むくじゃらのにも乗ったもん!」
「そんなんどうでもいいっすよ」
「更に言えば薬局入ってサトちゃんの乗り物にも乗ったもん!」
「何やってんすか先輩!」
サトちゃんってオレンジ色のゾウのやつね
ちなみにピンク色のゾウもいます。えーと、なんだったかな。
「サトちゃんだからカトちゃんかな?」
「何の話ッスか」
と言うわけでビデオを見ることにしたのですが、ビデオデッキは居間とリョマ子の部屋にあるそうです
迷い無くリョマ子の部屋をチョイス。わーい。お部屋拝見だーい
「散らかってるんすけど、空いてるとこ座ってて下さい」
私にそれだけ言うと、リョマ子は下に降りていった
お茶でも用意してくれるんだろうか。良い子だー
私は取り敢えず部屋をぐるりと見回した
うん、自分で言うだけあって汚い。
でもこれが男子中学生のあるべき姿だと思いますよ?
風邪ひいたときにお見舞いという名目で遊びに行った薫ちゃんの部屋なんかは綺麗すぎてビックリしたもんさ
て言うかパジャマ脱ぎっぱなしかい。起きたばっかりなのかね
魚のパジャマだー。随分可愛いけどお母さんの趣味かね
パンツまで置きっぱなし。トランクス派かー
さて、戻すか
実はこれ、布団の中に入ってたんです
パジャマのはじっこが見えたから捲ってみたらパジャマがどーんと
どうも慌てて隠したっぽいなこれは
「先輩、ファンタでいいっすか?」
「うんうん、全然構わんよ!」
階段を上ってくる音が聞こえて慌てて最初に立っていた場所に座った
ドアの向こうからごっ、と言う鈍い音が聞こえたので、私は近寄ってドアを開けた
案の定、そこにはお盆で手が塞がっているリョマ子がいた
お盆の上にはグレープのファンタとお煎餅が乗っかってる
「ビデオってこれっすか?」
「そだよ。乾がくれたの」
「それってまさか………」
「多分思ってる通りだよ。乾撮影だからばっちり映ってるはずさ☆」
「……俺、下行って……」
「
突撃隣のばんごはーん!!
」
叫びつつリョマ子にタックル
リョマ子と私は派手にスライディングした
「捕まえたぜよー。もう絶対放さんけんね!」
「これは何かの嫌がらせっすか先輩!」
「おうよ!私の生き甲斐は人に嫌がらせすることだからな!」
リョマ子の上に乗っかり空いてる方の手でビデオをセット
テレビの電源を着けて再生ボタンを押す
「あ、丁度私がばたんきゅーしてた時のだよ。早送りしといてくれたんだねー」
ほらほら、とリョマ子のTシャツの裾を掴んだまま言うと、リョマ子は諦めたように私のとなりに座った
画面は試合前で、私がベンチでぐったりしてるのが背後に映っている
この時側には桃と菊がいたみたいだった
そして手前では私に変装する準備をしているリョマ子
不二ッコが横にいて、堀尾やカチローやカツオもいる
いつも被っている帽子を脱いで、不二子に手伝って貰いながら嫌々ヅラを被った
「うわー、リョマ子ヅラ被ったんだ!かーわーいーいー!!」
「………何でか不二先輩が持ってたんすよ」
リョマ子の着てるレギュラーウェアはスペアのウェアのようだ
うう、スコート姿が眩しいぜ!
私よか似合うんじゃねーの、アーン?
さて、そろそろ試合だーと思って続きを見ようとしたら、急に画面がぷつんと真っ黒になった
「ん?」
おかしいと思って横を見たら、リョマ子がテレビのリモコンを持っていた
「へいプリティーボーイ、リモコンくださいこの野郎」
「これ以上は見たく無いッス」
「何言ってんねん!これからがおもろいとこちゃうんか!!」
「絶対嫌っす!こんなビデオいっそのこと……!!」
「ゴルァ!私の打ち出の小槌に何する気ぃや!」
「編集して売る気じゃないっすか!!」
私とリョマ子がバタバタとリモコンとビデオテープを取り合って取っ組み合いをしていると、部屋のドアが開いた
「うるせぇぞリョーマ!何やって……」
やって来たのはお坊さんちっくな服を着たおじさん
ぽかーんとした顔でこっちを見ている
私は慌ててリョマ子から離れた
勿論ビデオテープは離さないけどね!
「リョーマ、お前いつの間に彼女作ったんだよ」
「親父には関係ない」
「初めまして、リョーマ君の彼氏の黒柳徹子です」
微妙に噛み合ってるんだか噛み合ってないんだかわかんないこの会話
「………彼女、だよな?」
「だから親父には関係ない」
「彼氏の黒柳徹子です。アデュー」
なんか紳士的に言ってみる
あれ、アデューはこの場合おかしいか
「てな訳でリョマ子、このおもしろおかしいおっちゃんはお父様?」
「………知らない」
「こら、リョーマ!こんな素敵な親父に向かって何を言う!」
「そうだよ!こんな素敵なおっちゃんが父さんで私は心底羨ましかよ!」
「分かってくれるか!」
「分かるともさ!」
何故かリョマ子のとーさんと意気投合
「つーかおめぇさん一体何なんだ?」
「だから彼氏……」
「部活の先輩だよ」
「部活の……」
「うぃ。黒柳徹子って言います。へけっ」
何故か語尾がハム太郎。
「黒柳……もしかしてお前、親父の名前って……」
「うちのおっさんの名前っすか?黒柳恭介って言う小説家なんですけど……」
「やっぱりおめぇあん時の恭介の娘か!」
「うちのクソ親父の知り合いですか?」
私がそう聞くと、おじさんは何か背中に炎をメラメラと燃やしていた
「あいつは今どこにいんだ!」
「アメリカに住んでます、多分」
「多分って何スか」
「いやー、あの人小説のネタが無くなるとネタ探し兼現実逃避にふらっと出掛けたりするんだよねー。アフリカとか」
「ふらっとでアフリカなんすか!?」
「ほら、あたしの父親だからさ!」
「それは決して本人が言うべき台詞じゃないっす」
何か色々と謎を残しつつ、私の越前家お宅訪問は終わった
……そういや今とーさんって何やってんだろ。生きてんのかな