天気は見事に晴れ
今日は都大会の日です
「治ったぁー!!!」
腕をぶんぶん振り回しても、手首をブラブラしても平気だぜぃ!
「見て見てフジコ!治ったよ!」
「全治2週間の怪我をどうやって3日で治したのさ」
「わかんね」
えへへー、とアホ面かましたら、フジッコが分かりやすい溜め息をついた
なんだこいつ!腹立つな!
「これで試合にも出れるねー。やった!」
いそいそとラケットバッグからラケットを取りだしてウォームアップがてら素振りをしようとしたら
「大事を取って今回は休め」
ヅカに首根っこつかまれた
ラケットを奪われ、ポイッとつまみ出される
「キー!なんなのよなんなのよ!!」
「仕方ないよ、こんな短期間で治る方が異常なんだから」
何気に失礼だなオイ
「あー、でもめっさ暇っ。散歩でもしてこようかな」
「、散歩してくるなら青学だって分からない格好で行ってね」
「それは私が何か問題を起こすとでも「が今まで試合会場で問題を起こした確率、89%」
乾がすかさず現れ、乾ノートを見ながら言った
結局私は、Tシャツ短パンの格好で出歩くことにした
「喉乾いたから飲み物買おうかなー」
自販機に120円を入れて、冷たい烏龍茶を買う
ぷしっ、とプルタブを開けてぐいっと一口
「っかー!うめー!!」
オヤジ臭く言うのがコツ
………
ツッコミいないと寂しいなぁ
寂しいからツッコミキャラだらけの青学ベンチに戻りますか
そして振り向いた瞬間
どんっ
ばしゃっ
「キャッ!」
誰かにぶつかって、飲み物を頭からぶっかけてしまった
「おわー!ごめんなさい!!」
「ごめんなさいじゃないわよ!ビショビショじゃない!」
「ごめんねー!この牛乳拭いた雑巾で良かったら使ってー!」
「何でそんなもんがここにあるのよ!ちょっと、いい加減にしてよ!」
「だからさっきから謝ってるじゃないっすか!」
「これから試合なのよ!ユニフォームがこれじゃあ着られないじゃない!」
「くどい!さっきから謝ってんだから許せよ!」
「何よその態度!風邪ひいたらどうしてくれんのよ!」
ぶつん
「烏龍茶被ったくらいで風邪ひくくらいデリケートなら首にネギ巻いてへそに梅干しでも貼っとけー!!」
ずばきっ
あ、やべ
女の子がもろに吹っ飛んで気絶した
うわー、どーしよー
「早川さん!?」
「どうしました!」
なんか同じかっこした人達が二人、私が殴り飛ばした女の子の方に集まった
視線が一気にこっちを向く
「あなたですか、やったのは……」
「え、まあやったといえばやったしやってないといえば嘘になるしやっているかもしれないしもしかしたらやってるかもしれない……」
「結局やったんじゃねぇかよ!!」
「ヘイボーイ!怒っちゃやーよ☆」
「どっちが怒らせてんだよ!」
「待って下さい裕太君」
黒髪でくせっ毛の人が前髪をいじりながら茶髪のゆーた君を制止した
「やった事には責任取って貰いますよ………」
「え」
「これから青春学園対、聖ルドルフ学園の試合を始めます。両校、前へ!」
審判の声で、コートの中心に集まる両校
「えっ!?」
「………どうしたんすか、不二先輩」
「……僕の目の錯覚だと信じたいんだけど………」
「おわっ!先輩!?何やってんすかそんなとこで!!」
桃のでかい声を聞き、レギュラー全員がミクスドの方を向いた
そこにはルドのユニフォームを着ている私の姿
「(……お前青学のテニス部だったのかよ)」
「(………部員どころか、ミクスドの正レギュラーですよ)」
「(お前が!?)」
「(失礼ね!ローリングソバットかますわよ!!)」
S3のゆーた君と小声で会話しております
「とは誰の事ですか?」
「……アンタの隣にいる人の事っすよ」
「この子は早川楓さん。僕のパートナーです」
そう言って肩に手を回すミヅキさん(と言う名前だったらしい)
ここで私が口出しすると話がこじれそうなので取り敢えず黙っておく
「君が言うさんとは別の人ですよ。よっぽどその方が気になるようですね、越前リョーマ君」
わざと勘に障るような言い方をしているみたいだ
リョーマがムッとした顔をした
そして二人の間に飛び散る火花
こんな時私が出来るのは………
電圧計でこの火花の電圧を測ることくらいだ
と言う訳で黒と赤のぼっこを火花につけてみる
するとメーターが一気に振り切れボゴン!と音がして電圧計が壊れた
おお、すげぇ!
今度はマシュマロを取り出してどっからともなく出した櫛に三つほど刺して火花に投入
数秒で焼きマシュマロの出来上がり。うめー
「………アンタのことでこうなってる訳だし、せめてマシュマロ食うのはやめろよ……」
「別に火花散らせてくれってお願いした訳じゃないもーん。あたし悪くないもん」
「早川さんが出られなくなったのは九割九分あんたに非があると思うが」
「エヘッ☆」
マシュマロをもきゅもきゅ食いつつごまかし笑顔
「───裕太」
「んぉ?」
「兄貴はミクスドか。やっぱり逃げたな」
「S3で裕太とやりたかったよ」
「まあいいさ。兄貴は観月さんにやられればいい」
兄貴?
兄貴??
「姉御!サザエの姉御!!」
「なんでぃカツオ!」
「中島組の奴がこっちにやって来やすぜ!!」
「んだとぉ?テメェ何で今までそれに気付かなかったんだ!指詰めんぞコルァ!!」
「おらぁ磯野ぉ!!ツラ貸しやがれぇ!」
「伊佐坂組の奴等はどうした!」
「さっきから電話に出ねぇ!伊佐坂組の奴等も裏切りやがったんだ!どうしやす姉御!!」
「ノリスケとマスオはどうした!」
「誘拐されたイクラとタラオの救助に行きやした!」
「仕方ねぇ……波平兄貴呼んで来い!ハジキもありったけ持ってきな!!」
「おう!」
「………って感じの兄貴?」
「絶対に違う」
「て言うか何でキャストが全員サザ●さん一家なんだよ」
兄弟二人に読まれ、そして二人に突っ込まれた私はどうしたらいいんだよオイ
ツッコミは欲しかったけどこんなにはいらないかなー
そんな感じで色んな所で嵐が荒れ狂ったまま、試合は始められることになった