青学メンバーズと跡部withちゃんが衝撃の出会いをした次の日
「きゅーしゅう、きゅーしゅー、きゅーしゅー………」
手塚がきゅーしゅーに行く事になったと言うてたのでこうして地図帳で九州の場所を探しているのです
「ねーフジコ、きゅーしゅうってどのページに載ってんの?」
「日本地図全部載ってるページ見れば分かるよ」
フジコがパラパラと地図帳を捲って、あるページを見せてくれた
「九州はこれ。南にあるやつね」
「ほうほう」
「で、ここが僕達の住んでる東京」
ぐぐーっときゅーしゅうの位置から東京に指を持ってくる
日本地図で見ても結構距離あるじゃないですかぃ
「遠いじゃん!!フジコの馬鹿!何でもっと早く言うてくんなかったんよ!!」
「…いや、まさかが九州の場所を知らないとは思わなかったからさ……」
「アナタあたしを見くびってるわね!思ったよりもアホよあたくしは!!」
「………それって見くびってるって言うのかな、一般的に」
言うんだよ!私的には!!
「今日きゅーしゅー行くんだっけ、ヅカ」
「そうだよ。空港まで見送りに行くけども行くよね?」
当たり前のように言われたのでけふー、と溜め息っぽいものをついてみる
そしてビーフジャーキーをかじる。うめー
「何勝手に決めてんだよこのジーパン刑事」
「いきなり何!?」
「あれ?だってフジコ今年のベストジーニスト賞狙ってるって言ったじゃん」
「それは多分の妄想の中でだと思うよ」
そんなことないもん!クラッシュデニムは認めないとか言うてたもん!!
「リョマ子はお見送り行くの?」
「一応そのつもりっす」
「ふーん、じゃああほべんとこに構って貰いに行こうっと」
どーせ自主練になるだろうし、ジロちゃんとかで遊びたいし
「………それ、わざと言ってるんすか」
「わざと?」
わざと、わざと………
「俺は昨日の事、まだ怒ってるから」
そこまで言われてやっと気がつきましたよ!
「ってアナタに何故怒られなければならないのですか」
「……先輩は黙って言う事聞いてれば良いから」
「それは無理な話ですよリョマ子さん、言う事聞かないのとやりたい放題やるのがあたくしのウリだもの。むしろアイデンティティだもの」
さんが良い子になったらこの連載終わっちまうよ!!
「越前!さっき大石と手塚が西門の方で探してたぞ」
「…ども……」
「何だろーね?行ってきたら?」
慌てて話をそらすようにリョマ子を急かす。ありがとう乾!今だけめっちゃ好き!!
「そろそろ時間だよね?」
「ああ……俺は見送りに行くが、お前は行かないんだろう?」
「うん」
「ならばこれを託そう」
乾が持っていたのはクリップで留まってる大量の紙
「レギュラーがいないからお前が部員全員を連続で相手してやれ。試合の結果はこのスコア表に書き込んでおくように」
「待て待て待て!!部員何人いると思ってんのさ!」
「一試合に15分に以上かけたらその分だけ乾汁だ。やらない場合はジョッキで」
「やります!是非とも!」
敬礼しつつダッシュでコートに向かう
飲んでたまるか!今までなんとか回避してきてるのに!!
みんなお見送りに行っちゃったので私はレギュラーじゃ無い部員と試合をしてるわけですが
行けば良かったかなぁー。これでやっと10人抜きだよ
「先輩マジで強すぎっす……手加減して下さいよ………」
「嫌だよ。汁かかってるもん」
「俺らもそうなんすよ!」
「え、マジで!?」
「先輩に負けた部員全員乾汁キャップ一杯一気飲みっす」
「それならいいじゃん。あたしは負けた分だけだもん」
キャップ一杯が何さ!そんなんで勝ちを譲ると思ったら大間違いだぞコルァー!!
「つーか、俺らやばくね?女の先輩に負けるなんて「廬山昇龍覇!ペガサス聖拳!オーロラサンダーアターック!!」
ネットを飛び越え、無駄口叩いてたヒラ部員に攻撃
その場にバタリと倒れるヒラ部員
「グダグダ言ってんじゃねぇー!!んな事言ってるヒマあったらヅカの穴を俺たちが埋めようぜ!みたいな痛い台詞言ってみやがれ!!」
「何で俺らが!?」
「そういう役回りだからだよ!代理部長ビックリすんで!ダメな後輩がんな事言うたらビックリすんで!!」
「………って訳ですよ」
「まぁ、それで部員たちの姿勢が良くなったのは良いとして」
「まだ何かあるんか」
「試合はどうした?」
あ、途中までやって忘れてた
「………………ジョッキだな」
「嫌ー!勘弁して!もう今度から乾のいない間に乾の机にリアルなゾウリムシの落書きしたりしないからー!!」
「…あれはお前だったのか……」
「ごめんってば!マジで謝るってば!!何でもすっから!」
「そうか、それなら……」
「ねぇキミ達緑山中でしょ」
月間プロテニスの芝さんが取材に来ていた
「キミ達次の2回戦の相手あの青学でしょ!どう、緊張とかしてる?君、シングルスの季楽君でしょ」
「何?さっきからアポ無しでインタビュー出来ると思ってんの?」
「えーと、ダブルスの源君ね?」
「そしてミクスドのです」
「スパイだ!」
「スパイだ!!」
「ぬぅ!何故ばれた!?」
そこでシュゴッ!と音速でリョマ子が私を連れ去る
「先輩………あんた何やってんすか!」
「説明しよう!なんと今回はポルトガル語で説明しなければならない!!」
「何で!?」
いや、普通に日本語でもいいんですけどね
乾が緑山中のデータを代理で取って来いと言うのですよ。人使い荒いですね。パシリですね
「今日はミクスド無いんすから、大人しくしてて下さいよ……」
「何?ミクスド無いの?」
「緑山中には有能な女子選手がいないから、負けるくらいなら最初から出さないって事で不戦勝らしいっす」
「おぉ、なかなかおちょくった奴等ですねぃ」
一つ捨てても勝てると思ってんのかね奴等は
「よっしゃ!相手にとって不足無し!一発やっちまいなタカ!!」
「タカ!?誰っすかそれ!!」
「違う!返事は『OK、ベイビー』でしょ!!」
「あぶない刑事ってまた古いし!先輩今の子絶対知らないっす!!」
「私はじゃなくてユージ!もしくはセクシー大下!!コルトパイソン357が火を噴くわよ!!」
「しかもかなりマニアなとこまで来てる!!」
若い子の為に補足
タカ……舘●ろし
ユージ……柴●恭兵
「ひーまひまひまひつまぶしー、かつおぶしー、こんぶだしー、でもけっきょくほんだしいれちゃうのー」
「うるせぇなさっきから」
「だって暇なんだよ高槻!高槻だってミクスド無いから暇じゃん!アナタミクスドだけの男じゃん!!」
「俺はシングルスには向いてねぇの」
「そんでもってダブルスには大石とエージ、乾と海堂がいると。あっはっは、寂しいね高槻。うけけけけいだだだだだ!!!」
やめてー!ラケット顔に押し付けるのやめてー!!顔に網目模様が出来るからー!!!
「ふんだ!高槻のばか!!いーもん、遊びに行ってはっちゃけてくるもん!」
「何処にでも行け!!」
「たーかつきゆーうとーはやさしーいひととかいてゆーとってよーむのよー」
適当にメロディーをつけて歌っていると、見知った人影を見つけた
「リョマ子のおっちゃーん!!」
ぶんぶんと手を振ると、向こうもこっちに気付いたようだ
「げっ!お前あの……」
「でぃす。おとんは最近遊びに来たけどアメリカに帰ったのでぃす」
「そ、そうか」
何かおかしい。なんつーか挙動不審っつーか
「前から気になってたんだけど、リョマ子の父ちゃんうちのおっさんと知り合い?」
「あぁ、まあな………」
「じゃあアメリカにいた事があるの?テニスやってた?」
「おう、一応プロでやってたぜ」
「ほんとに!?おいちゃん名前は!?」
「越前南次郎だ」
「聞いた事ある!!サムライ!サムライ南次郎!!」
おぉー!本物だ!すげぇー!!
おとんの持ってたテニス雑誌で見た事あるよ!!
「って、あれ?」
辺りを見回すと、誰もいない。リョマ子の父ちゃん逃げおった!
でもほんとに何があったんだろ、父ちゃんとおっさん
今度聞いてみようかなぁ、おとんに